 VOL．９０ 僕がおくりびとだった頃 〜映画「おくりびと」を見て蘇った記憶〜 |
| 今月のエッセイも路上的旅人ブログから おくりびと 2010-04-26 23:32 テレビで、先日亡くなった巨人の木村拓也コーチの追悼試合を見た。息子さんの始球式の後、原監督が弔辞を読むのを見ていて涙が止まらなかった。昨年のプロレスラー・三沢光晴といい、プロの選手が現場で命を落とすという出来事が続いている。不謹慎かも知れないが、交通事故や事件に巻き込まれて亡くなるのに比べれば本望かも知れない。だが、残された家族の悲しみや驚きは想像を絶するだろう。自分の最期はどうだろうか。カメラを構えたまま足を踏み外して崖から落ちて亡くなるかも知れないし、炎天下でサービスを打ち込んだ後、コートで心筋梗塞を起こすのかも知れない。いや、きっとこんなカッコ良く死ねるとは思えないなぁ。先日、お世話になった方が脳梗塞で入院していると聞いて見舞いに行ったが、意識はあるものの、呼びかけには反応がなかった。人の死に際は様々だ。僕の場合は布団の中かトイレで亡くなっているのを数日後に発見されるような気がする。突然死で逝ったおやじの年まであと３年を切った。今月の「一節入魂」は２００１年４月１６日に亡くなった河島英五さんの『旧友再会』にした。夜、テレビで映画『おくりびと』を見た。また泣けた。今日は仕事が休みで一日中家に引きこもっていたが、誰にも会わない日は、逆に自分を見つめ直す日になる。明後日のライブでは元気をもらおう。 RESコメント おくりびとの頃 今の職業に就く前の仕事は葬儀屋だった。  アルバイトだったけど、友達の家業が葬儀屋さんだったので、中学の頃から大学２回生までそこで働いていた。おくりびとに出てくる納棺師ではなかったが、葬儀に関することはすべて経験した。でも、友人の死がきっかけで辞めてしまった。親友の祭壇を自分で飾り付け遺影に手を合わせた時、これまで仕事としてやってきた中で経験したことのない辛い思いが溢れ、もうこの仕事はできないと思ったのだ。 おくりびとでは本木雅弘扮する主人公が友人の母親に続き、自分を捨てた顔も覚えていない父親の葬儀に立ち会い自らが納棺をすることとなる。過去の自分と重なり辛かったあの日のことが蘇った。映画に出てきた銭湯を切り盛りする母親役の名前が僕のお袋と同じ名前だった。あれほど憎んでいた父親が亡くなる直前に握りしめていたのは、６歳の頃の主人公が親に送った石文だった。このシーンで僕の涙腺は切れた。広末涼子の顔に娘の顔が重なり滲んだ。 http://www.youtube.com/watch?v=5XKNS3-VMhI ＜映画「おくりびと」YouTube＞ 今月の「西方見聞録」では、似顔絵エンターティナー・桜小路富士丸のライブを 今月の「一節入魂」では、河島英五さんの『旧友再会』を歌っています 関連コラムはClick！ |
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