今月のイチオシは長〜いお付き合いのお店ばかりです



居酒屋 ひよこ

この春、１０数年前にテニススクールで知り合ったＵさんのお店を偶然見つけました
時々、通勤で利用する南海高野線の駅の近くで居酒屋を３０年近くやっておられます
一度入ろうと思いながら、お酒の呑めない僕は中々、入る勇気がなく３ヶ月が過ぎましたが、
ある日思い切って暖簾をくぐると、カウンターにいたマスターが顔を見るなり「コーチ久しぶり」
と言ってくれました。長いこと会っていなくて、しかも当時よりも７�`太ってヒゲを生やした僕を
見るのは本当に久しぶりのはずですが、理由を聞いて納得。その当時いっしょにテニスをしていた
Ｙさんが一昨日亡くなり、昨日がお葬式だったとか。それで、訪ねて来てくれたのかと思った
そうです。和歌山県日置町出身で店の名前に古里「日置」と名付けたＹさんの顔が咄嗟に
思い出されました。当時やっていた串カツ屋は、その後店を閉め、他の仕事についていた
そうですが、テニスは時々いっしょに貸しコートでやっていたそうです。そのＹさんが亡くなった
２日後に僕が店に現れ驚いたそうですが、こんな巡り合わせもあるんですね。しみじみ、Ｙさんの
思い出を語りながら、マスターのＵさんの作ってくれた料理を食べました。



飲酒運転と駐禁の取り締まりが強化された以降、飲み屋さんの経営はどこもみな厳しいようですが、
この店も同じだそうです。でも、そんな中で２９年も変わらず続けて来たのは、マスターの人柄と
旨いものしか出さない確かな料理の腕があったからでしょう。３年前までは「そんな高い金は
取らんから安心して食べて」と料金を明示しない方針でしたが、時代の流れに合わせてメニューに
値段を書くようにしたそうです。その日のオススメや旬の魚などが書かれた紙には価格が書かれて
いませんが、食べて納得、味に見合った適正価格です。食事だけでも鰻丼や釜揚げうどん、カレー
などが用意されていて、家族連れでも一人だけのサラリーマンでも安心して入れます。

　　

そしてこのお店の特徴は座敷の椅子の配置。何故か半分が板の間で反対側は
椅子が置かれています。「この方が広く座れるし、膝の悪い方や車椅子の人でも
座りやすいでしょ」とのこと。トイレの壁には和式トイレなのに洋式便座がぶら下げて
あります。これも足の痛い人やお年寄りには優しい配慮です。おまけにトイレットペーパーも
どちら向きでも使えるよう前後に取り付けています。僕と知り合った頃はまだ４０代前半で
若かったマスターも６０前になり、人間的にも丸くなったのでしょうね。思いやりのある
居酒屋に感激して「また今度はテニスの仲間を連れて来ますよ」と約束して店を出ました。

店の紹介をさせてもらっても良いですかと聞くと、自身はインターネットしないし
夫婦二人だけでやってる店ですから、見知らぬ人が押しかけられても・・・と
馴染みの近所の常連さんを大切にするマスターの気持ちが分かり、今回は
店の名前と定休日だけをお教えすることにしました。行きたい・食べたいと
言う方は直接、路上的旅人までお問い合せ下さい。

営業時間：１７：００〜２４：００　定休：木曜日及び第３水曜日

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腕の良い接骨院 井上整骨整体院　

高校時代同じ柔道部で汗を流した友人が堺市で接骨院をしています
テニスで腰痛や肉離れなどやってしまった時に必ずお世話になっています
いろんな接骨院や治療所に行きますが、今の時代、町に接骨院やマッサージ
施術所は溢れ、コンビニや電話ボックスよりも多いくらいですが、技術は
ピンキリでしょう。自分でする方がマシというくらいの若いインターンみたいな
先生が平気でマッサージしているところもあり、患者が先生を選ぶ時代です。
テニスで痛めた満身創痍の身体を治すために、あらゆる接骨院、鍼灸院を訪ね歩いた
いわば患者のプロ（？）を自認する僕が認める施術所がここです。まるで指先に
センサーやカメラが付いているように一瞬で悪い箇所を当て、押さえてくれます。



彼とは高校入学以来もう３０数年に渡る付き合いですが、“なにわの唄う巨人・パギやん”こと
趙博さんとも中学の柔道部で同級生だったという不思議な縁です。数年前にそのことが判り、
いっしょに趙さんの歌うキネマを見に行ったことがあり、会場で二人は中学以来の感動的な再会を
果たしました。そんな井上君は路上的旅人の作品展にも時々奥さんと足を運んでくれ、作品を
買ってくれます。診療所のロビーには書が並び、まるで路上的旅人のギャラリーのようです。




そして、今月の末には娘さんがめでたく結婚するそうで、その会場に飾るウエディングボードを
頼まれました。路上庵であれこれ親父の思いを聞きながら「一期一会　ありがとう」という言葉を
書かせてもらいました。人との出逢いを大切にし、治療に来られる患者さんの気持ちになって
「いっしょに治していきましょう。頑張りましょう」という彼の気持ちが込められたボードになりました。
「若い世代にわかってもらえるかな。わかってほしいな」という親の思いは、娘さんの心にもきっと響くと
思います。「一期一会」は巡り会った伴侶と二人の結婚が縁で親戚となる両家の人達へ。「ありがとう」は
結婚式に来て下さったすべての方々とそれぞれの両親への感謝の気持ちを込めて。思いが伝わる書が
書けたのならよかったです。いつまでもお幸せに。　　　　　　２００８．７．１２　路上的旅人拝

住所　堺市百舌鳥梅町１丁４−４−１Ｆ
（地下鉄・南海高野線「中百舌鳥」駅南口より徒歩５分）
TEL 072-250-1414



今月の書のコーナーでも紹介しています

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天丼しかない 天丼の店　



このお店との付き合いも古いですね。僕が学生の頃からあって、当時は天丼が
確か１杯２５０円くらいでしたね。赤出汁が２０円やったかな？ちょっと記憶が不確か
ですが、当時、天丼は学生の身分には高くて贅沢な食べ物でした。それが吉野家の
牛丼と同じくらいの値段で食べれるので、ミナミに出た時はわざわざ歩いて行った
ものです。当時の経営者はかなりご年配のご夫婦で、小柄なかわいいおじいちゃんと
おばあちゃんでした。その後、足が遠のき２０年ぶりくらいに行ったら、息子さんの代に
替わっていて、今ではそのご夫婦が、あの頃の先代よりも少し若いと言った年代でしょうか。
やはり同じように息子さんが店を手伝い、家族３人で仲良くやっておられます。



お店は法善寺横丁の露地を東に抜けた坂町（昔の町名表記）というところにあります。ビッグカメラや
OS劇場のすぐ近くにありながら、心斎橋筋や戎橋筋商店街とは違ってまだ昔の面影を残す裏通りと
いった風情の場所でひっそりとやっていて、狭い店内は昔と変わらずカウンターだけ僅か
６席です。メニューは天丼と赤出汁のみ。持ち帰りもできますが、ご飯の量は「少ない目」
がリクエストできるだけ。メニューも２つしかないから、黙って座れば天丼（並）だけが出てきます。
客がしゃべるのは「赤出汁も…」の一言だけ。隣の人と肘が当たるくらい狭いので、大きな
声でしゃべったり、食べ終わっても座ったままだったら怒られるようですね。（僕はいつも
一人で入るので怒られたことも怒られる客を見たこともありませんが）　また、店の屋号も
看板に「坂町の天丼の店」と書かれているだけで、扉もなく、暖簾をくぐればもうそこが
カウンターと椅子が６脚あるだけ。ご主人が天麩羅を揚げて息子さんがだし汁を掛ける、
奥さんは洗い物と、役割分担は一年中決まっていて、爪楊枝も七味も灰皿もありません。
そんな愚直で不器用なお店が何十年も残っているのは、経営者一家の真心こもったアツアツの天丼と
「いらっしゃい、どうぞぉ」という掛け声が、いつ行ってもあるからでしょう。いつまでも続いてほしいお店です。

大阪市中央区千日前１−８−１６　「坂町の天丼の店」　ＭＡＰ
電話：なし　営業時間：１０：００〜１９：００　水曜日定休
良い海老が入らない時は店を閉めるようなので注意
＜昼間は行列覚悟＞

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料金が書かれていないお店でも安心です。
なぜなら、路上的旅人は絶対に高くて高級な気取ったお店には行かないからです。
万一、料理が不味くて高かった場合には、路上的旅人が心を込めて謝ります　m(_ _)m
（それだけかい！？　す・すいません、その時は別のお店を紹介します…）