VOL.12
2003.10.1 更新
今月のイチオシは、ちょっとお洒落な無国籍風のお店特集です

天麩羅割烹 れすとらんBAR 若松



心斎橋の日航ホテルの西側に面した、本当に小さなお店ですが、ひとたび中にはいると、周りの喧噪や若者達の街・アメリカ村にいることを忘れてしまいそうな懐かしい雰囲気に出逢えます。
三代目の若主人・堀越大二郎くん(愛称:だいちゃん)は、見た目の風貌どおり、ちょっと不思議な雰囲気の若者です。それもそのはず、中学の頃から学校へ行かず、思うとこあって、単身アメリカへ渡り、「インディアン居留地」で過ごしたそうな。日本に戻ってからは、お母さんがミナミでやっていた老舗の天ぷら屋「若松」を継ぎ、家業の傍ら「ジェンベ」という西アフリカの楽器に夢中になり、店の合間を縫って音楽活動。
「ひきたま」 バンドでは、あの「ふちがみとふなと」の船戸博史さんとともにバックを務め、「サカキマンゴー」バンドでも、アフリカの風を感じさせるエネルギッシュなパーカッションを聴かせてくれます。
元々は趙博さんを通じて彼のことを知ったのですが、その後、写真家の牧田清さんの写真展が「若松」であり、おーまきちまきさんも参加した四条畷の「えにし庵」ライブで、初めて大ちゃんの演奏を聴きました。
ライブでの豊かな表情と派手なパフォーマンスとは打って変わって、お店では手の込んだお母さんから伝わる手料理と、サクッと揚げ立ての天ぷらが、舌の肥えた通(つう)の客を満足させてくれます。店内にはアフリカの民族楽器や、大ちゃん手書きのメニューや書、交友のあるミュージシャンのライブのチラシやポスターが貼られ、ちょっと無国籍でディープな雰囲気。仕事帰りのサラリーマンに混じって、業界風の人や外国人がフラッと立ち寄るお洒落なレストランバーです。
趙さんが参鶏湯を振る舞いながらライブをしてくれました。 2007.4.8 若松ライブ 

「レストランバー若松」
 天ぷら旬膳とつくだ煮、地酒も豊富。地下鉄心斎橋駅下車、
 日航ホテルの所の出口を上がる。日航ホテルのひと筋西側。
 大阪市中央区西心斎橋1-10-6  TEL. 06-245-5150 

月刊・お好み書き 1997年10月1日号 には大西純さんという方が書かれた
大ちゃんの詳しいプロフィールが載っています。路上的旅人イチオシの必読ページです。

また、大ちゃんが、アメリカ・イラク戦争に心を痛め、友人と立ち上げたサイト「What do you think?」
では、目を覆いたくなるような痛ましい戦争の犠牲者の写真に胸が痛みました。


欧風家庭料理  Chez Noir  シェノア



阪神高速「高井田」入り口の横にあるお店・シェノワは東ヨーロッパの家庭料理が味わえるお店です。
店のマスコット(と言うにはちょっと大きすぎますが)セントバーナード犬のバルザックが入り口で迎えてくれるんですが、実は、今のバルザックは2代目。
僕が初めてこの店に入ったのは、もう20年近く前だったと記憶しています。フランス語で『我が家』という意味の「シェノサ」から付けたという東欧の家庭料理を出してくれる珍しいお店が気に入り、何度か通ったんですが、いつの間にかなくなってしまい残念に思っていましたが、ある日、外観が気になり一度入ってみたかった店があり、思い切って入ってみたら、それがなんとあの思い出のシェノワだったのです。すぐ近くに移転し、それまでは平屋だったのが3階建てになっていて気がつかなかったという訳です。古いヨーロッパの民家を思わせる落ち着いた外観は、3階建てに見えますが、実は、地下室のショットバー、中二階、中三階(?)を合わせて5階建てくらいの迷路のような不思議なスペースです。
店主が、「当店」と言わずに「当家」と呼んで、「友人の家に行ったような気持ちでゆっくりくつろいで下さい。」という願いが込められていて、落ち着けます。
メニューは、ビーフシチュー2000円・グラタン(オンドリア・メンドリア)各900円・カントリース風パゲッティ900円・生ハムとトマトのサラダ1000円・モンゴイカのマリネ900円・ロールキャベツ900円・大きなハンバーグ1100円など豊富。もちろんビールやワインもいっぱいあります。ママお勧めのディナーコースも2500円からとお得。
珈琲や飲み物は、ひとつひとつ違った器に入っていて、3〜7人用のでっかいカルピスもあって、食後のケーキも美味しいです。

東大阪市高井田本通5−3−21 電話 06-6784-6575
スポーツクラブ・エルエスト東大阪店の西隣(駐車場有り)
最寄り駅は地下鉄中央線「高井田」駅
詳しい営業時間は電話にて問い合わせて下さい
http://www.chez-noix.com/takaidatop.html


無国籍気まぐれ料理 CAPRICHOS  カプリチョス



僕が学生時代から、京都に行くと必ず寄るお店。白川通りのお洒落なお店が並ぶ中にあって、「きまぐれ無国籍料理」という看板が一際目を引く。狭い階段を下りたところに入り口があり、一歩店内にはいるとお洒落なエプロンの制服を着た店員達が、大きな声で「いらっしゃいませ」と迎えてくれる。ほどよくアメ色に変色した革のソファーは30年前とちっとも変わらない。京都の学生達に愛されたお店は、時代とともにエスニックな雰囲気を受け継ぎ残ってきた。メニューは、奄美大島の鶏飯 (ご飯に錦糸卵や椎茸、鶏肉、しば漬けを載せてあったかいダシをかけて食べるしゃぶしゃぶ・アツアツめし)、豆腐のステーキ、ベトナム春巻き、トムヤンクン、メキシカンサラダなど盛りだくさん。
路上的旅人のお気に入りは、トイレ。大きな扉は、表も裏も一面に革が張られ、学生達の手垢が染みついて黒光りしている。僕はいったい何度この扉を開けたのだろう…


場所 京都・白川通り北大路角 カサ・デ・ソーラ白川B1F  定休日:水曜日
電話 075−722−4908 ランチ&喫茶 noon〜pm5:00 / ディナー pm5:00〜 midnight


    残念ながらカプリチョスは閉店したようです



料金が書かれていないお店でも安心です。
なぜなら、路上的旅人は絶対に高くて高級な気取ったお店には行かないからです。
万一、料理が不味くて高かった場合には、路上的旅人が心を込めて謝ります m(_ _)m
(それだけかい!? すいません、その時は別のお店を紹介します…)


   

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 残念ながら上記イチオシのうち VOL.10で紹介した卯月と VOL.12のカプリチョスは
閉店しました。もし知らずに行かれてガッカリされた方がおられましたらお詫び致します。