一節入魂　 VOL．３０

新企画　since 2007.8.1

　 VOL．３０

　　２０１０年２月１日更新　

今回の歌唱曲は　泉谷しげるの「春夏秋冬」 です

年が明けて２０１０年になりました。３年に渡り下手くそな歌にお付き合い下さり感謝いたします。新春にふさわしい曲を探しましたが、中々歌える曲がなく、学生時代から好きだったこの歌にしました。
２０代に初めて聴いた時、その歌詞に共感し、３０代、４０代とその後の生き方に無意識のうちに影響を受けていたように、今そう思います。

　　人のためによかれと思い　西から東へかけずりまわる
　　やっと見つけたやさしさは　いともたやすくしなびた

うちのおやじの生き方が、まさにそうでした。不器用だけど人のために何かをしていることがおやじの安心だったのかなと思うことがありますね。（これはちょっと喩えが違うかも知れませんが）よく電車の中や通勤の途中の道で拾った忘れ物・落とし物を届けていました。会社でも、親戚づきあいでも、自分のことは後回しにして、誰か困っている人がいたら、手を差し伸べることが多かったようです。報われることを期待せず、自然と身体が先に動く。そんな大人になりたいと、おやじを見ながら漠然と思っていたのかも知れません。

　　となりを横目でのぞき　自分の道を確かめる
　　またひとつずるくなった　

でも、実際にはそんなイイヒトにはなれず、心のどこかで人にどう思われているんやろか？とか、これをしたら誉められるんじゃないかとか、こうしたら何か見返りがあるのかなぁとか、どこかで想像している自分があります。「またひとつずるくなった」自分に気がつき

　　当分照れ笑いが続く

そんな人間だったようです。でも、照れ笑いをする時って、本気で反省しているんじゃないんですよね。どこかで、そんな失敗を楽しんでいる。そんな自分や生き方を好きだったりして、性分は変えられないと妙に納得したり。
隣が何をしていても、友達がどんなことをしていても、同僚がどんなやりかたで仕事をしていても、自分は自分であり、自分の道を確かめながら生きている。

　　今日ですべてが終わるさ
　　今日ですべてが変わる
　　今日ですべてが報われる
　　今日ですべてが始まるさ

そう思いながら、そう信じながら今日も生きている。明日は今日よりも、もっと、もう少しだけ良い日じゃないかなと勝手に根拠もなく思いこみながら。そんな繰り返しの人生が、なんだか幸せなんじゃないのかなと、この歌を歌っている自分を聴きながらふと思いました。

歌はエンドレスで繰り返し再生されます。聞き飽きたら、或いは聞くのに
耐えられなくなったら、気分が悪くなる前にカラオケルームからご退出下さい。

　閉じる（音を消す）

1994年に泉谷しげるが開いた、長崎・普賢岳噴火災害応援コンサート『メッセージソングの日』では
小田和正や桑田佳祐、今は亡き忌野清志郎さんらとともに『春夏秋冬』を歌っています。70・80年代を
代表するアーティストがこれだけ揃うことなんて、もう二度とないと思いますが、とても素晴らしい
ステージだったのでYouTubeで聴いてみてください。カラオケでは曲のテンポが速くてメロディに
付いていくのが必死ですが、いつかこのメンバーの演奏をバックに歌ってみたいなぁ…と贅沢な
妄想を抱いています。実現したら次の日からの人生が、ちょっとだけ変わっているかも知れませんね。