今日、神戸で故マルセ太郎さんの３回忌『文忌（もんき）』があり、行ってきました。マルセさんの魂が宿ったような趙博さんの一人芝居「歌うキネマ」では、高倉健・田中裕子主演の映画『ホタル』が演じられました。
天皇陛下が亡くなり昭和が終わったという時代背景で、特攻隊の生き残りだった一人の男が自ら命を絶ちます。高倉健扮する山岡秀治が、かつての戦友を悼み、「辛かったことや悲しみを、そばにいて聞いてやることしかできないが、それもしてやれなかった…」と呟くシーンで、ふいに涙が溢れて止まらなくなりました。『ホタル』を見るのは、映画を含めて４回目ですが、こんなことは初めてで、自分でも驚きました。しかも号泣に近かったのです。
昨年末に、突然逝ってしまった友人の四十九日が終わったばかりだったからかも知れません。遺書を読むシーンでも、また胸が苦しくなり、神戸からの帰り道も、途中で運転ができなくなりました。年を取ったのでしょうか。涙腺が緩くなったというよりも、壊れてしまった一日でした。