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2005.1.1 更新

路上的旅人 趙博さんを撮る VOL.59
<不定期と言いながらずっと更新し続けて、気がつけばついに59回!!>



歌うキネマ 『神様こんにちは』
in さんくすホール
2004/12/15

【あらすじ】

身体の不自由なピョンテ(炳泰)と放浪詩人ミヌ(民愚),未婚母チュンジャ(春子)の三人組が共に慶州の膽星台に到着するまでの過程を描いた感動的なロードムービー。
脳性マヒの青年キム・ピョンテは,長い間夢見てきた慶州(キョンジュ)に行こうと一人で家を出発するが,バスに乗り間違えて牛耳洞のバスターミナルに行ってしまう。ピョンテは,そこで詩人のハン・ミヌと会い,一緒に慶州に向かうことになる。彼らは,慶州行きの列車の中で臨月のチュンジャに会うが,無賃乗車がばれて駅員に捕まってしまう。しかし,チュンジャの機転で逃げ出した二人は,実家に帰るに帰れないチュンジャと三人で慶州をめざすことになる。

ぺ・チャンホ監督(1953年生まれ)自身のアイデアを基に、チェ・イノが同名小説とは別のシナリオを書き下ろした作品。障害者のピョンテに扮したアン・ソンギの演技も見事。 (1987年発表 カラー・ヴィスタ・110分 )



パギやんの“人生幸朗的”ぼやき日記 より転載

  『神様こんにちは』                   12/14/2004
あらためて考えてみると、1987年のこの作品は「独裁から民主化」への途上で作られたということがよくわかる。詩人、妊婦、障害者という「トリオ」は、何を示唆するか?最後に赤ん坊が生まれ、子供たちが花一輪ずつで祝福する場面のコノテーションは何か?

 「チャンホ監督の透き通るような映像術は、最近の『黒水仙』にもいかんなく発揮されていた。韓国映画の現代史を「西便制以前・以後」と分けることも可能だが、「神様こんにちは」は前期に於いて、検閲や統制がまだ色濃く残るなかで、民衆の「夢」という琴線に触れた作品として特筆されるべきである。

 もう一点。この映画の「背景」すべてが韓国社会の、各々のある位相を物語っていることを再発見した。3人の旅は、生まれ変わろうとする社会構成体を体験し直す旅でもある。だから、最後は「夢仕立て」になったのだろう。我々には、映像化できる「夢」すらないのだが…。
   

ピョンテの役では泣くシーンがいっぱい

   

キザで大仰な詩人・ミヌの役作りが秀逸
  終わってみれば…   12/15/2004   
 徹頭徹尾・終始一貫、コメディだ。

 『神様こんにちは』−−どうして神様なの?

うーん、それを疑問に思ったあなたは偉い!

 <特殊>の中にこそ、典型がある。<類型>じゃないんだ。
そう、そう…。 二次会にも花が咲きました。
「風まかせ人まかせ」の経済効果も向上して、大喜び。 
 モロしろいねぇ(笑)。

歌うキネマ第1章の『泣いてたまるか』とも、また違った味付けで新しい境地を
開いたと思える作品でした。障害者の役を力まずそして真面目に、
また照れずにコメディを演じ切った趙さんに拍手です。
ただ、『ホタル』や『砂の器』のように、ある意味キネマが実際の映画以上に
訴えるものがあった作品に比べると、今回のキネマは「やはり映画で見たい」
という点では原作を超えられなかったのではと思っています。どっちが上とか
秀逸というのではなく、あくまでも次に見る機会があればどっちという路上的
観点の話しです。僕は『西便制』をもう一度、趙さん演じる歌うキネマで見たいと思います。





「パギやんのニッポン日々漫遊記」
インパクション 2004年144号に路上的旅人撮影の写真が掲載されています

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