２００４．１１．２１　更新

路上的旅人　趙博さんを撮る　VOL．５８
＜不定期と言いながらずっと更新し続けて、気がつけばついに５８回！！＞



歌うキネマ　『人間であるために』
ｉｎ さんくすホール
２００４／１１／１７

【路上的『人間であるために』見聞録】 映画　人間であるために　（１９７４年／脚本・監督：高木一臣） 　　　　　モノクロ　ワイド16�_ 107分　　主題歌　“To Be A Man”　レン・Ｈ・チャンドラー ■　あらすじ　＜goo 映画検索ＨＰより＞ 昭和二十八年の冬、広島の街を、長崎の街を、そして東京を忙しくかけまわっている一人の老人がいた。大阪の岡本弁護士である。原爆の投下行為は、人類史上、最大の殺人行為であり、日本政府は、この損害賠償を行う義務があるという、いわゆる「原爆裁判」をおこすための準備である。しかし、岡本弁護士に対する周囲の眼は冷く、非協力的だった。こうした中で大阪の岡本法律事務所の人たちと、東京の一青年弁護士・松井だけが、この岡本をささえていた。最初、岡本は、アメリカの友人たちの協力で、アメリカ本国にて裁判を行おうと計画したが、それには莫大な費用が必要で、とても一弁護士に都合のつく額ではなかった。それではと、彼は日本政府の責任を追求すべく、昭和三十年四月、世界で初めての原爆裁判が東京地裁に提訴された。しかし、それから八年、東京地裁は「国際法違反ではあるが、被爆者には損害賠償の請求権はない」という判決を下し、結審となった。この間、この裁判に心血をそそいだ岡本弁護士は、脳溢血で倒れ、その遺志を受けついだ松井弁護士は多くの人たちの協力のもとに、八年の長い闘いをやりぬいたのだった。しかし、被爆者の病状は年につれて悪化し、死亡者はふえ、被爆者二世は自分の境遇を周囲にひたかくしにしなければ、生活することすらできないところまで追いやられた。岡本を、松井を、それをとりまく人たちは、原爆をもう一度、人間が人間として、人間の立場から静かに怒りをこめて、みつめようとしはじめていた。 ■　キャスト 伊藤雄之助 イトウユウノスケ（岡本尚一） 中野誠也 ナカノセイヤ（松井康浩） 松山省二 マツヤマセイジ（石川） 長浜藤夫 ナガハマフジオ（安田） 新井春美 アライハルミ（光子） ■　主題歌　　To be a man 1. 君はなぜ泳ぐの　汚れたこの海　朝日も見ないで 　若葉も知らず　歯をくいしぱり　傷ついてまで 　よく見てごらん　果てないこの空 　生きるためのこの海を　生きるためのこの大地を 　The great design, the master plan　　To be a man. 2.　略 3.君はなぜためらうの　生きることを　お先に　さあ 　どうぞ　僕は後から　登りつめる　人生という名の　長い坂道を 　大声で笑い　泣きべそかいて　何を　見つめ　探しながら 　心が弾み　誇り得るかぎり　かまわない　ビリになっても 　To be a man / to be a man / to be a human パギやんの“人生幸朗的”ぼやき日記 より転載 　　『人間であるために』 　　11/17/2004　　　 初演、である。 原爆裁判と、ある被爆者家族の、それぞれの人間模様が織りなす＜怒り・孤独・夢＞、忘却に抗う「被爆」という記憶の噴火−−映画は、この事実を受け止められる「人間たれ」と迫る。 ほとんど誰も見たことのない映画を歌い語るのは、一つの責任を負うことだと、痛感した。 もういちど演って、確かめたいことがたくさん見えてしまった。　　　多謝。 歌うキネマ新作の第２弾『人間であるために』を見てきた。 趙さんはいったい何を訴えたかったのか。 これから先、どこへ行こうとしているのか。 そんな答えが見えてきたような気がする。 前回の『砂の器』といい、テーマがあまりにも重い。 なぜ、そこまで自分を追いつめ、さらけ出し、苦しむのか。 ハンセン氏病に続き、原爆被爆者、被爆二世といった日本の繁栄した社会の陰で苦しみ、 うごめく人たちの真の姿を伝えることに全霊を傾け、耐え難き不条理や行き場のない怒り、 悲しみ、言いようのない理不尽を伝えるために立ち上がるのか。 それを趙さんは「恨（はん）」という概念で我々に問うのか。 僕にはまだよく分からない。テーマが重すぎてよく解らない。 でも、ついていこうと思う。ともに考えようと思う。

　

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